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韓国では、成人男性の多くが包茎手術を受けています。周りの国とは、はっきり違う数字です。
面白いのはその理由です。宗教でもなければ、昔からの習慣でもありません。調べていくと、ある一年に行き当たります。
どれくらいの割合なのか
2012年に BMC Public Health に掲載された研究(Kim, Koo, Pang)が、2009年から2011年にかけて、0〜64歳の韓国人男性3,296人(または保護者)に、手術を受けたかどうかを尋ねています。
14〜29歳の年齢調整済みの割合は、**75.8%**でした。4人に3人です。
近隣と比べると、違いがはっきりします。日本小児泌尿器科学会は、国ごとの割合を次のように挙げています(2007年のWHOによる)。
| 国・地域 | 手術を受けている成人男性の割合 |
|---|---|
| 韓国 | 80%以上 |
| アメリカ | 75% |
| ほとんどのアジア諸国 | 20%以下 |
| イギリス | 6% |
アジアの中で韓国だけが突出しています。同学会は、包茎手術の習慣が文化的、歴史的背景に大きく影響されると説明しています。
1945年より前は、ほとんどゼロだった
ここが本題です。この習慣は、韓国でとても新しいものです。
研究の著者らは、先行研究をもとに、韓国では1945年より前にはほとんど手術が行われていなかったと述べています。
1945年。日本の統治が終わり、アメリカ軍の駐留が始まった年です。論文は、以降アメリカの影響を強く受け、「医学的」な理由として広まったと説明しています。
ほぼゼロから、数十年で4人に3人まで。これだけ短期間に、体に関する習慣が入れ替わった例はそう多くありません。
宗教でも伝統でも説明がつかない
割礼には、宗教的な背景で広まっている地域があります。しかし韓国には当てはまりません。論文が挙げているのは次の点です。
- 儒教・仏教の伝統が強い国で、これほど高い割合で手術をしているのは韓国だけ。近隣に同じ水準の国はない
- 韓国には身体は親からの授かりもので、傷つけないという伝統がある。論文は「身体髪膚、これを父母に受く。敢えて毀傷せざるは、孝の始めなり」という孔子の言葉を引いて、手術はむしろこの伝統に反すると述べている
- キリスト教は2000年の歴史を通じて割礼と結びついていない。新約聖書のガラテヤ書で、パウロが不要だと明言している。韓国でキリスト教が広まったことでは説明がつかない
- イスラム教徒・ユダヤ人の人口はほとんどいない
事前にどれだけ知っていたか
著者らは、手術を受けたかどうかと、事前にどれだけ知っていたかの関係を調べています。結果はこうです。
- 手術を受けた人とその保護者は、人づてに聞いた話以外の事前知識が少なかった
- 受けていない人のほうが、事前知識が多かった
論文は、インターネット・新聞・講演・書籍・テレビを通じて情報が届くかどうかが、この違いに強く関係していたと記載しています。
なお同じ研究は、情報が行き渡るにつれて、この割合が近年は下がってきているとも報告しています。
この数字を読むときの注意
調査方法の限界を書いておきます。この研究は非確率標本で、主にインターネット経由で回答者を集めています(対面での聞き取りは5.4%)。著者自身が、テーマの性質上そうしたと説明しています。母集団を正確に代表しているとは言えません。
また、調査は2009〜2011年のものです。これより新しい韓国全体の調査は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。いまの割合がいくつなのかは、この記事では分かりません。
日本ではどう扱われているか
日本では、日本小児泌尿器科学会が、小児期の包茎手術の治療基準は医学的なものだけだとしています。元に戻せない嵌頓包茎や、包皮が硬くなり成長してもむけない場合がこれにあたります。
成人では、日本医科大学武蔵小杉病院が、真性包茎や包皮炎を繰り返す嵌頓包茎を手術の対象とし、仮性包茎の手術は行っていないと記載しています。
他の国の割合は、自分が受けるかどうかの判断材料にはなりません。判断の中心は、むけるかどうかと、症状があるかどうかです。
自分の状態は包茎とは?種類の違いと治療が必要なケースで確認できます。症状がある場合は、包茎は泌尿器科と専門クリニックのどちらに相談する?をご覧ください。
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出典
- 日本小児泌尿器科学会「包茎」
- Kim D, Koo SA, Pang MG「Decline in male circumcision in South Korea」BMC Public Health. 2012;12:1067
- 日本医科大学武蔵小杉病院「真性包茎の手術について」
この記事の情報について
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